BUSINESS TRIP COLUMN ― 海外出張を快適にする・ミャンマー通信編 ―

ミャンマーのSIM・eSIM|現地購入ならどれ?料金・おすすめ通信会社と注意点

ミャンマーでも、外国人が現地SIMを購入できます。

ただし、ミャンマーはこれまで紹介してきたASEAN諸国とは少し事情が違います。

SIM料金だけで選ぶ前に、通信そのものが一時的に遮断される可能性や、一部のインターネットサービスが制限されていることを知っておいた方がよいでしょう。

また2026年から、海外から持ち込んだスマートフォンにも新しい端末登録制度が始まっています。

先に結論を言うと、次の3つを基準に考えると分かりやすいです。

外国人向けSIMを分かりやすく買う → ATOMまたはMPT

地方を含め広く移動する → MPTを優先候補

ヤンゴンなど都市部中心で通信速度も重視 → ATOMを候補

1.まず、何GBあればいい?

ヤンゴンなどの都市部では、ホテルやショッピングモールなどでWi-Fiを利用できる場所があります。

そのため、通常なら7日程度の出張で、次の容量を目安にできます。

使い方7日間の目安
メール・LINE・地図が中心3GB程度
Web検索・SNSも普通に使う5GB程度
動画も時々見る10GB程度
PCのテザリングや動画を多く使う20GB以上

ただし、ミャンマーではWi-Fiがある=いつでもインターネットを使える、とは限りません。

ヤンゴンではホテルやモールを中心にWi-Fiを利用できる一方、当局によるインターネット接続の遮断が行われる場合があり、FacebookやWhatsAppなど一部サービスも制限されています。

そのため、他国のように「ホテルのWi-Fiが多いからSIM容量を減らそう」と考えすぎない方がよいでしょう。

2.どの通信会社を選ぶ?

2026年現在、ミャンマー政府が案内している主な携帯ネットワークは、MPT、ATOM、U9、Mytelです。

このうち、外国人旅行者向けのTourist SIMを公式サイトで明確に確認できるのは、MPTとATOMです。

短期出張なら、まずこの2社から考えるのが分かりやすいでしょう。

利用状況おすすめ
地方を含め国内移動が多いMPT
ヤンゴンなど都市部中心ATOM
外国人向けSIMを分かりやすく購入MPT / ATOM

MPT|外国人向け料金が分かりやすい

MPTは外国人向けTourist SIMを公式に用意しています。

特徴的なのは、SIM料金とは別に20,000MMKのActivation Taxがかかることです。

※表は横にスクロールできます。

期間データ容量SIM・プラン料金Activation Tax合計日本円目安
30日2GB29,999MMK20,000MMK49,999MMK約2,400円
30日7GB49,999MMK20,000MMK69,999MMK約3,360円
30日20GB99,999MMK20,000MMK119,999MMK約5,750円

※日本円は調査時点の概算です。

MPTのTourist SIMはすべて30日有効です。7日程度の出張でも30日プランを購入する形になります。

7日出張で5GB程度必要なら、7GBのStandardが候補になります。

ただし約3,000円台なので、ベトナムやカンボジアの現地SIMと比べるとかなり高めです。

通常プリペイドなら、データ料金自体はもっと安い

MPTの通常プリペイド回線では、Tourist SIMとは別に30日間のデータパックがあります。

※表は横にスクロールできます。

期間データ容量データパック料金日本円目安
30日2GB7,579MMK約360円
30日5GB18,949MMK約910円
30日10GB37,889MMK約1,820円

つまり、通信データそのものが高いわけではありません。

ミャンマーでは新しいSIMを開通するときに20,000MMKの税金がかかるため、新規でSIMを取得する外国人は初期費用が高く見えます。

ここが他のASEAN諸国との大きな違いです。

ATOM|20GB・30日の外国人向けTourist SIM

ATOMにも外国人向けTourist SIMがあります。

内容は、20GB・30日、国内通話250分、国内SMS 100通、7,500MMKのメイン残高です。

ATOMの公式Tourist SIMページでは、現在このパッケージ内容は明記されていますが、販売価格そのものは確認できませんでした。

購入時に最終価格を確認してください。

一方、ATOMの通常プリペイドSIMについては、SIM本体1,500MMK、新規SIM Activation Tax 20,000MMKと案内されています。

つまり、新規SIMを使う場合は少なくとも21,500MMK、約1,030円相当のSIM・税負担が発生し、その上で必要なデータプランを利用する形になります。

ATOMは都市部の通信速度でも有力

現在の第三者測定では、ATOMは通信性能でも有力です。

MedUXの2025年3月の全国測定では、平均ダウンロード速度は、ATOM:28.99Mbps、MPT:28.10Mbps、U9(旧Ooredoo):27.31Mbps、Mytel:20.24Mbpsでした。

またnPerfの2025年評価でも、ATOMがミャンマーのモバイルネットワーク性能で首位とされています。

そのため、ヤンゴンなど都市部中心ならATOMを候補にする考え方があります。

3.結局、7日出張ならどれを選ぶ?

ミャンマーは、他のASEAN諸国のように「7日・5GBで何百円」という分かりやすい旅行者向け料金体系ではありません。

外国人向けTourist SIMは30日有効の商品が中心です。

国内を広く移動する → MPT

ヤンゴンなど都市部中心 → ATOM

から、購入時に利用できる外国人向けプランを確認するのが分かりやすいでしょう。

ただし料金だけを見ると、日本で購入するeSIMや日本の海外ローミングが現地SIMより有利になる可能性もあります。

ミャンマーについては、「現地SIMなら必ず安い」とは考えない方がよい国です。

4.新しいSIMには20,000MMKの税金がかかる

ミャンマーでは、新しいSIMを開通するときに1枚につき20,000MMKの商業税が課されています。

2026年度の税制でも、この20,000MMKのSIM Activation Taxは継続しています。

20,000MMK新規SIM Activation Tax
約960円調査時点の日本円目安

ベトナムやカンボジアではSIMデータ料金そのものが200~300円という例もありましたが、ミャンマーではSIMを新規発行するだけで約1,000円の税金が乗ることになります。

そのため、データプランだけの料金を見て、「ミャンマーSIMは数百円」と判断しないようにしてください。

5.SIMはどこで買う?

MPTのTourist SIMは、MPTショップ、ヤンゴン国際空港、外国人利用が多いホテルや観光地などで購入できます。

ATOMにもヤンゴン国際空港の到着エリアに店舗があり、Tourist SIMを購入・登録できます。

短期出張なら、空港で購入してその場で開通まで確認する方法が分かりやすいでしょう。

6.外国人はパスポートと有効なビザが必要

ATOMでは、Tourist SIMの購入に、外国人パスポートと有効なビザが必要と明記されています。

SIMは使用前にパスポートで登録し、登録後に最初の電話をかけることで有効化します。

ミャンマーではすべてのSIMに本人登録が必要です。

SIM購入時にはパスポートとビザを用意しておきましょう。

7.2026年から、海外から持ち込んだスマホには「30日ルール」がある

これは現在のミャンマーで非常に重要な変更です。

2026年4月1日から、ミャンマーではCEIR(Central Equipment Identity Register)という携帯端末登録制度が本格運用されています。

海外から持ち込んだスマートフォンなど、CEIRの許可リストに登録されていない端末は、ミャンマーの携帯ネットワークへ最初に接続してから30日間だけ一時利用できます。

30日を超えて利用する場合は、端末のIMEIを登録し、必要な税金や手続きを行わないと現地携帯ネットワークで利用できなくなる可能性があります。

7日出張 → 通常は問題なし

2~3週間の出張 → 30日以内なので通常は問題なし

30日を超える長期滞在 → CEIRを確認

短期出張者には大きな問題ではありませんが、長期駐在や1か月を超える出張では重要です。

8.インターネットが突然使えなくなる可能性もある

もう一つ、ミャンマーでは料金表には表れない注意点があります。

都市部ではモバイル通信やWi-Fiを利用できますが、当局の影響により通信が一時的に停止することがあります。

また、FacebookやWhatsAppなど一部サービスへのアクセスが制限される場合があります。

そのため、仕事で重要な連絡をする場合は、現地SIMだけに依存しないことも考えておいた方がよいでしょう。

ホテルWi-Fi、会社の通信環境、日本側のローミングなど、複数の通信手段を確保できると安心です。

9.eSIMは使える?

ATOMはeSIM自体には対応しています。

また、2026年のCEIR制度でもeSIMを搭載した端末が想定されています。

ただし、外国人旅行者が日本出発前にミャンマー通信会社の公式Tourist eSIMをオンライン購入する仕組みは、タイやマレーシアほど分かりやすくありません。

eSIMを使いたい場合は、日本で購入できる海外旅行用eSIMも比較した方がよいでしょう。

10.結局、ミャンマーではどれを選ぶ?

地方を含め移動するならMPT。

ヤンゴンなど都市部中心ならATOM。

まずこの2社を候補にすると分かりやすいでしょう。

ただし、この国では他のASEAN諸国と違い、新規SIMに20,000MMKの税金がかかる、外国人向けSIMは30日商品が中心、通信が一時的に遮断される可能性がある、2026年から海外持ち込み端末に30日のCEIRルールがある、という事情があります。

そのためミャンマーでは、「現地SIMが一番安いか」だけではなく、日本の海外ローミングや旅行用eSIMまで含めて比較してから決める方がよいでしょう。

※料金・サービス内容・制度は2026年9月調査時点です。通信状況、料金プラン、税制、端末登録制度は変更される場合があります。