BUSINESS TRIP COLUMN ― 海外出張を快適にする・入国準備編 ―

海外出張の準備。
パスポート・ビザ・電子渡航認証を確認

海外出張の入国準備。パスポートの残存期間、ビザ・電子渡航認証、乗継国を含む入国条件について整理します。

こんにちは。ADDEVAのNです。
私はこれまで毎月のように海外出張をしていましたが、今回は半年ぶりの出張でした。特に何も気にせず出発日を迎えようとしていたのですが、ふと不安になって確認してみると、いくつか準備の抜けやミスが見つかり、慌ただしく対応することになりました。
そこで今回は、自分への備忘録も兼ねて、海外出張前に確認しておきたいことをまとめました。中国とASEAN諸国(ベトナム、タイ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、カンボジア、シンガポール、ラオス、ミャンマー、ブルネイ、東ティモール)の入国条件を国別に比較しています。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
まず、海外出張が決まったら、航空券の手配よりも先に行うべきことは、以下の3つのポイントを確認することです。

海外出張前にパスポート・航空券・スマホで入国条件を確認するイメージ

1. 海外出張前にパスポートの「残存期間」を確認する

パスポートの「残存期間」は、「有効期限」とは違うことに注意してください。
国によって、入国時に必要なパスポートの残存有効期間が決められています。
不足している場合はパスポートの更新が必要になるため、航空券やホテルを予約する前に確認することをおすすめします。

中国・ASEAN各国|パスポートの残存有効期間

日本国籍・一般旅券での短期渡航の目安(2026年9月20日確認)。原則、入国時に必要な残存期間を示します。最新の条件は右端の公式情報で確認してください。

渡航先残存期間公式情報
中国滞在予定期間を満たすこと滞在中有効駐日中国大使館中国大使館
ベトナム入国時6か月以上6か月以上在ベトナム日本国大使館日本大使館
タイ入国時6か月以上6か月以上タイ王国大使館タイ大使館
マレーシア入国時6か月以上6か月以上在マレーシア日本国大使館日本大使館
シンガポール入国時6か月以上6か月以上シンガポール入国管理局入国管理局
インドネシア入国時6か月以上6か月以上在インドネシア日本国大使館日本大使館
フィリピン滞在予定期間+6か月を推奨滞在+6か月推奨外務省 海外安全情報日本国外務省
カンボジア入国時6か月超6か月超カンボジア政府 e-Visa政府e-Visa
ラオス入国時6か月以上6か月以上外務省 海外安全情報日本国外務省
ミャンマー入国時6か月以上6か月以上ミャンマー外務省現地外務省
ブルネイ入国時6か月以上6か月以上在ブルネイ日本国大使館日本大使館
東ティモール入国時6か月以上6か月以上東ティモール税関当局税関当局

2. 海外出張でビザが必要か確認する

日本のパスポートでは、短期滞在なら多くの国へビザなしで入国できますが、すべての国ではありません。特に長期出張の場合は、滞在期間に合わせて、必要なビザや入国条件を確認してください。
海外出張の場合は、渡航先の商用での入国条件を確認してください。

中国・ASEAN各国|ビザ不要の滞在日数と帰国後の再入国制限

日本国籍・一般旅券で渡航する場合の目安(2026年9月20日確認)。観光目的・商用目的の列は、ビザなしで滞在できる日数です。再入国制限は、ビザなしで入国し、帰国後に再びビザなしで入国する場合の待機期間を示しています。各国の公式情報は、表の右端にあるリンクから確認できます。

渡航先観光目的商用目的ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限公式情報
中国観光目的30日以内商用目的30日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし公式情報駐日中国大使館
ベトナム観光目的45日以内商用目的45日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし(2020年撤廃)公式情報在ベトナム日本国大使館
タイ観光目的30日以内商用目的30日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし(陸路入国は年2回まで)公式情報在福岡タイ王国総領事館
マレーシア観光目的90日以内商用目的90日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし公式情報マレーシア入国管理局
シンガポール観光目的30日以内商用目的30日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし公式情報駐日シンガポール大使館
インドネシア観光目的ビザが必要商用目的ビザが必要ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限―公式情報在インドネシア日本国大使館
フィリピン観光目的30日以内商用目的30日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし公式情報フィリピン政府
カンボジア観光目的ビザが必要商用目的ビザが必要ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限―公式情報在カンボジア日本国大使館
ラオス観光目的30日以内商用目的30日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし公式情報駐日ラオス大使館
ミャンマー観光目的ビザが必要商用目的ビザが必要ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限―公式情報ミャンマー外務省
ブルネイ観光目的30日以内商用目的30日以内ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限なし公式情報在ブルネイ日本国大使館
東ティモール観光目的ビザが必要商用目的ビザが必要ビザなしで入国し、帰国後の再入国制限―公式情報東ティモール税関当局

※「なし」は一律の再入国待機期間がないことを示します。タイの「陸路入国は年2回まで」は、観光目的のビザ免除による陸路・海路での入国に関する回数制限です。通常の空路入国や有効なビザを取得しての入国に、その陸路・海路の回数制限をそのまま当てはめるものではありません。「―」はビザ免除による再入国が対象外であることを示します。

※1 ビザ免除の対象でも、旅券の残存有効期間、帰国便・第三国への航空券、事前の電子入国登録など、国ごとの入国条件を満たす必要があります。表の右端の公式情報リンクから渡航前に確認してください。

※2 商用目的は、商談・会議・工場視察などの短期訪問を想定しています。現地での就労や据付・修理などの実作業は、ビザ免除とは別に適切な入国資格・労働許可が必要になる場合があります。

中国:現在のビザ免除措置は2026年12月31日までと案内されています。2027年以降の渡航では最新条件をご確認ください。

タイ:日本人の短期商用向けビザ免除制度では、商用目的を示す書類などが必要です。観光目的の免除と条件が異なります。

ビザが必要な国:インドネシア・カンボジア・ミャンマー・東ティモールには、目的や入国地点に応じて到着時ビザなどの制度があります。ビザ不要とは異なるため、表の右端の公式情報リンクから取得方法と条件をご確認ください。

3. 入国カード・オンライン事前登録を確認する

渡航先によっては、入国カードや渡航情報の登録が必要です。中国・ASEAN各国について、必要な手続きと登録先をまとめました。オンラインで登録できる場合は、表のリンクから手続きできます。

国別|入国カード・事前申告の手続き

日本国籍・一般旅券で短期出張する場合の目安(2026年9月20日確認)。「なし」は、この表で対象とする一般入国者向けの入国カード・事前登録がないことを示します。

渡航先必要な手続き手続き場所・オンライン登録
中国外国人入国カード入国カードオンライン登録 事前登録 または到着時に記入現地記入も可
ベトナムなし(PAIは任意)なし(PAI任意)PAIオンライン登録 PAI登録 対象空港で任意
タイTDACTDACオンライン登録 事前登録 入国前に登録
マレーシアMDACMDACオンライン登録 事前登録 入国前に登録
シンガポールSG Arrival CardSG Arrival Cardオンライン登録 事前登録 入国前に登録
インドネシアAll IndonesiaAll Indonesiaオンライン登録 オンライン登録 到着時の登録も可到着時も可
フィリピンeTraveleTravelオンライン登録 オンライン登録 到着前72時間以内到着前72時間以内
カンボジアe-Arrivale-Arrivalオンライン登録 オンライン登録 到着時の登録も可到着時も可
ラオスLDIF(出入国カード)LDIF入国時のオンライン登録 入国登録
出国時のオンライン登録 出国登録 対象の空港・国境で必要対象の空港・国境
ミャンマーなしなし―
ブルネイE-Arrival Card/健康申告E-Arrival等E-Arrival Card登録 E-Arrival
健康申告(BruHealth) 健康申告 入国前に登録
東ティモールe-Declaration(到着申告)e-Declarationオンライン登録 オンライン登録 到着5日前から登録可到着5日前から

※ベトナムのPAIは任意の登録です。対象空港で入国審査の円滑化を目的に導入されていますが、登録者が必ず専用レーンを利用できるとは限りません。登録先は無料の公式サイトです。

海外出張の入国準備で注意したいこと

ポイントは以上となりますが、失敗しないための注意点を以下に書いておきます。

海外出張の日程を決める前にパソコンで航空券の価格を比較するイメージ

長期出張では、滞在日数に合ったビザを確認する
長期出張の場合は、滞在日数によって必要なビザの種類や、許可される滞在期間が変わることがあります。予定している滞在日数を必ず確認し、それに合ったビザを取得してください。許可された滞在期間を超えて滞在すると、不法滞在となり、出国時に問題が生じるだけでなく、その後の渡航に影響する場合もあります。

ビザを申請する前に、航空券の価格を確認する
航空券の価格は、時期や日程によって驚くほど変わります。数日ずらすだけで大きく価格が変わる場合もあります。日程を調整できる出張なら、希望日の前後も含めて航空券価格を確認してから、日程を固めてビザを申請することをおすすめします。

ビザには、渡航目的に応じた種類がある
ビザには、観光、商用、就労、留学など、渡航目的に応じてさまざまな種類があります。海外出張の場合は、まず商用での入国条件を確認してください。日本のパスポートでは、短期商用ならビザ不要の国もありますが、国や滞在期間によって条件は異なります。「日本人だからビザは不要だろう」と判断せず、渡航先ごとに確認するのが基本です。

商用と就労は、全く異なる
商談や会議、工場視察などは、一般に「商用」にあたります。一方、「就労」は、現地企業に雇用され、現地で継続して勤務するようなケースを指します。ただし、実際の区分は国や活動内容によって異なり、現地での作業や報酬の受け取りを伴う場合は就労ビザなどが必要になることがあります。海外出張では、現地で何をするのかを基準に入国条件を確認してください。

経由便の場合は、経由国の条件も確認する
直行便ではなく乗り継ぎ便を利用する場合は、目的地だけでなく、経由国の入国・乗り継ぎ条件も確認してください。国によっては、乗り継ぎだけでも入国手続きやビザ、電子渡航認証が必要になる場合があります。たとえばアメリカでは、他国へ向かう途中の乗り継ぎでも、ビザ免除プログラムを利用する場合はESTAが必要です。経由地がある航空券では、経由国についても必ず最新の公式情報を確認してください。

入国条件は頻繁に変わる
世界情勢だけでなく、感染症の流行、ビザ制度の変更、申請手続きのオンライン化などによっても変わります。以前行ったことのある国でも、「前回と同じ」と考えず、必ず最新の情報を確認してください。

AIで調べるなら、情報のソースまで確認する
最近はAIを使えば、ビザや入国条件について簡単に調べられるようになりました。ただし、AIが間違った情報や古い情報を示すこともあります。AIの回答だけで判断せず、その情報の出典まで確認することをおすすめします。特に入国条件については、外務省、渡航先の大使館・領事館、渡航先政府などの最新の公式情報で最終確認してください。

航空券の名義は、パスポート表記と一致させる
航空券を予約する際は、氏名をパスポートのローマ字表記どおりに入力してください。スペル違いや姓名の入力欄の取り違えがあると、搭乗時に問題になる場合があります。予約を確定する前に必ず確認してください。